厚木市恵心病院編 [page1]


















 神奈川県厚木市の恵心病院、通称心霊病院とも言われ、地上7階のその規模は、関東地区でも最大級の廃病院です。

 この何とも魅力的な廃病院の隣に、24時間診療体制の救急総合病院が開設されることが決まり、恵心病院は取り壊される予定との噂を知った私は、居ても立ってもいられなくなり、急遽恵心病院取材を敢行する事にしました。

 早速うさぎっ子達にも連絡を取り、緊急招集を掛けましたが、大規模廃病院に“ビビッタ”のか全員パス・・・・

 仕方ないので、単独で取材する事を決めた私は、物件が物件だけに夜取材は危険と判断、午後3時着を目指し、余裕をもって午前10時に出発しました。

 しかし、東名高速浜松IC付近からいきなりの大渋滞、どうやら冬季休暇で帰省していた人達のUターンラッシュによる渋滞のようです。

 しかも、晴れてた空もいつの間にかどんよりと曇り、足柄SA付近では雪までも舞い散っていました。

 冬の短い昼時はいつしか終りを告げようとしています。

 渋滞は更に勢いを増し、蛇の如く続いています。

 道路の状況を示す表示板には「横浜町田まで渋滞50`-通過4時間以上」と書かれた電光文字が、ただ虚しく輝いていました・・・


 厚木ICを降りた時には時間は既に午後8時を越えていました。

 目指す恵心病院は厚木ICから国道129号を相模原方面に向うと、簡単に見つける事が出来ました。

 とあるパチンコ店の駐車場に車を停め、早速侵入する場所を探す事にしましたが、廃病院正面は大通りに面しており、かなりの通行量が有るのとGSから丸見えの為、裏側からの侵入口を探す事にします。


 恵心病院の裏側と思われる地点に横道を発見したので、そこから横道に入ると、いきなり林のような状態になってしまいました。

 木々が茂り不気味さを引き立てています。

 「もしかしたら道を間違えてしまったのかもしれない・・・」

 そんな不安が頭を過ぎりましたが、もう少し先に進む事にします。


 不安ながらも進んで行くと、林の切れ目から、目的の病院裏が見えてきました。

 更に病院裏に近づくと、噂通りの巨大さに圧倒と驚愕を感じ侵入をためらいましたが、ここは愛知から遠く離れた神奈川県、ここまで来たら引き返すわけにはいきません。

 私は度胸を据、向う事にしました!!

 


 更に建物に近づくと、お約束の「立入禁止」の看板とフェンスが侵入者を拒んでいるように見えましたが、先入者により倒されたフェンスは、既にその役割を果していませんでした。

 ところで肝心の恵心病院の心霊に関する噂なのですが、「廃墟となった建物の屋上から、高校生が飛び降り自殺し、その霊が現れる。」「外から見ていると、4階の窓で、白い服を着た女性が手招きしているのが見える。」「手術室では手術の失敗で亡くなった人の霊が現れる。」などですが、そんな怪奇現象が起きても不思議では無いような雰囲気を、この病院は醸し出していましす。


 倒れたフェンスから病院の敷地に入り、内部への侵入口を捜していると、外壁に空いた穴を発見しました。

 「なぜこんな所に穴が?」と一瞬思いましたが、外壁の落書きの多さから、どのような人が壊したかは容易に想像が出来ます。

 とりあえず、この穴から病院内に入る事にしましょう。


 壁穴から侵入した場所は、どうやら機械室のようです。

 中は暗くて様子がよく分かりませんが、様々な機械が据付けられています。

 機器は空調かマルチエアコンユニットなどの設備でしょうか?


 開いている配電盤にはホコリ一つ付いてなく新品のようです。

 これらの機器の多くはあまり使われる事無く、廃病院となってしまったのでしょうか?


 闇が支配する無人の機械室、コンクリートの壁に囲まれた機械室は少しの物音にも敏感に反応し、大げさな反響音を轟かせ、私を驚かさせます。

 床に無数に広がる配管類に時折つまずきながらも慎重に行動し病院内に通じる扉を探していると、機械室の奥の方にドアを発見する事が出来ました。

 機械室から開放される喜びと、「今からが本番だ!!」という複雑な思いを抱き、私は機械室を後にしました。


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