潮騒の廃旅館編 [page1]















 愛知県渥美半島の、サーファーや釣り人で賑わう某海岸から程近い所に、南洋風の植物達に隠されるように佇む不気味な廃屋が有ります。

 この廃墟での噂は数年前に女性が自殺したそうですが、詳細不明なので事実は分かりません。

 詳細不明の廃墟は、それはそれでかなり怖いのですが、とりあえず入ってみる事にします。
 


 1メートル半ほどの柵を乗り越えると、早速不気味な廃墟が姿を現しました。

 海からの潮騒の音と、木々のざわめきが聞こえてきますが、不気味な廃墟の前では凄く耳障です。


 廃墟の前まで来ましたが、海からの潮風の影響からか、かなり外観は傷んでいます。

 シャッターも完全に錆び、外壁も黒ずんでいます。

 廃墟と化してから、どのくらいの年月が経過しているのでしょうか?

 2階部分の窓から中のカーテンが見えますが、かなり破れてボロボロになっています。

 ボロボロになったカーテンの隙間から何者かが覗いていると怖いので、あまり凝視せず、侵入口を探す事にします。
 


 簡単に侵入口を見つける事が出来ると思いましたが、入り口や窓は全てシャッターが下ろされている為、侵入不可能状態です。

 しかし建物周りを慎重に調べて行くと、大開放中の扉を発見しました。

 侵入口でしょうか?

 更にその横には2階への階段が設置されていますが、完全に錆びているうえ、途中で階段部分が落ちているので、ここからの侵入は無理そうです。

 取りあえず、大解放中の扉から中に入る事にします。


 中は、「火気厳禁」と書かれ、油の臭いが漂っています。

 機械室でしょうか?

 機械が所狭しに置かれているため奥の様子が分かりません。

 この奥に内部への入り口が有るのでしょうか?


 機械室と思われる室内を調べましたが、内部への入り口は無いようです。

 白く目立つタンクは、どうやらボイラー用の燃料タンクのようです。

 どうやらこの部屋はボイラー室のようです。

 ボイラー室の白いタンクの奥に人気を感じましたが、気のせいでしょうか?


 ボイラー室を出た私は、錆びた階段から侵入を試みようと思い少し上ってみましたが、階段はかなり腐食していて簡単に壊れそうです。

 諦め気味に、階段の抜け落ちた空間から辺りを見回すと壁に同化するかのように設置されている扉を発見しました。

 「ついに侵入口発見か!!」

 逸る心を抑えながら扉に近づくと、扉は完全に閉まっています。

 施錠されているかどうかが運命の分かれ道です。

 「ドキドキ」しながらドアノブを回すと、簡単にドアノブは回ります。

 そっと扉を引くと、扉は「ギギギーッ」と重い音をたてながら開き、ついにその姿をさらけ出しました。


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